4月から7月頃は、シロアリ(羽蟻)が一般的に活動(飛来)する時期です。
1級建築士で業界30年の元住宅監督の私が知識と経験からお話します。
今回は特にこのようなことにお悩みの方にお伝えします。
- 羽蟻を窓際で見かけたけど、これってシロアリ?
- 家のポストにシロアリ消毒業者のチラシが入ったけど、これって私の家はしたほうがよいの?
- 脱衣所の床がなんとなく、歩くとフワフワしているようなのだけど。それって大丈夫なの?
普段生活をしているとシロアリを気にする人はあまりいないと思います。ただ、上に書いたような時に初めて『シロアリ』を意識するのではないでしょうか?
この記事は、シロアリへの対処・対応方法がわかります。木造の新築・リフォームと長年、監督をしていた私がお伝えしますので、最後まで読んでください。
シロアリを見つけたら、即調査をオススメ
これってシロアリ?
窓際で羽蟻を見つけたけど、これってシロアリなの?
シロアリの可能性もありますが、実は蟻(黒蟻)でも羽蟻は存在します。簡単に見た目の違いをお話しします。
普段見かける蟻はカラダがだいたい黒いので、ここでは黒蟻とします。黒蟻でも羽蟻はいます。黒蟻の羽蟻は前の羽が大きく、後ろ羽が小さく羽が厚いといわれます。対して白蟻の羽蟻は4枚の羽がほぼ同じ大きさで薄いです。
シロアリは、基本的に暗く湿気が高いところを好みます。
昔の木造住宅では、浴室がタイル張りだったこともありヒビが入ったタイルの部分から水が侵入して床下や柱が湿気て、シロアリが発生しやすい環境でした。現在では床下はコンクリートということがほとんどですし、新築であれば防蟻処理(シロアリの消毒)もされています。
また、ユニットバスなどで水漏れなどもしにくく、湿気にくいといったことも現在では浴室や脱衣室は湿気にくくつくられています。
しかし、シロアリは減ってはいないのです。
ヤマトシロアリは北海道の一部を除く、ほぼ日本全国に分布し、イエシロアリは関東以西に分布しています。地球温暖化の影響や住宅の断熱性能があがったことでシロアリにとって『住みやすく』なったといわれています。
羽蟻を見たら、既に家のどこかに巣を作られているという状況を疑ってください。羽蟻は女王や王になる蟻です。種類により4~7月頃に飛び立つのです。
ウチはシロアリの被害にあっているのか?
羽蟻を見かけ、シロアリが疑われる際はぜひシロアリの被害にあっているかを調査してください。これは施工業者にお願いして床下調査をしてもらうことをオススメします。キッチンや脱衣室に床下収納庫や点検口など床下にもぐれるところから、自分で確認ができるならよいですが、ほとんどの方は難しいと思います。さらに、シロアリかそうでないかの判断がつきませんからね。
新築・中古購入後5年以上、まわりが風通しが悪い家はシロアリが発生のリスクが大きい
シロアリ消毒の保証が5年が多い
シロアリの消毒は、現在では消毒から5年とする施工業者がほとんどです。プラン等により5年以上もありますが、自分の家に対してシロアリだけでなくメンテナンスのことを気にするなどをしてもらいたいの、私は5年をひとつの期間と考えます。そのため、消毒の保証期間も5年でよいと考えます。
中古住宅はそもそも購入時消毒されていたのか?
新築住宅はシロアリ消毒(防蟻処理)はされますが、中古で購入された場合はどうでしょう。おそらく、購入の時点では消毒処理はされていないでしょう。ようするに、新築では目安である消毒から5年という期間がわかりやすいですが、中古での購入ですと築年数を参考にしてください。場合によっては、中古購入時に消毒処理を済ませてしまうことも、自分では確認できない場所である床下の点検となります。
植木が家に接してたくさん置いている
家のまわりに植木鉢やプランターが外壁に接している住宅を見かけます。現在の新築住宅で多い外壁下部(基礎と外壁の間)から床下や外壁内への空気の取入れ口としていることが多いため、通気が悪くなるようなことは控えましょう。また、水やりの時、雨が降る時、梅雨時期などは外壁のまわりが湿気るため、20㎝くらいは基礎・外壁と植木鉢・プランターを離しましょう。
敷地周辺が雑木林・山の影で日当たりが良くなく、風通しが悪い
夏などは付近の雑木林や山影などで涼しくて過ごしやすいですよね。
実は、気をつけなければいけないのはやはり通気です。あまりにも、風通しが悪く外壁に緑色にびっしりなるほど苔がついてしまうようですと注意といえるでしょう。
敷地の状況も改めて確認をしてみてください。
まとめ
羽蟻がシロアリなのか?被害にあっているのか?
お家の現状を確認するタイミングです。シロアリ被害があるのか調査をオススメします。
もし被害を確認できた場合は、即防蟻処理をしましょう。
特に脱衣室まわりの柱・床などに被害があり、柱や床を直さなければならないこともあります。
新築であれば、5年から10年でシロアリの被害は少ないでしょう。
ただ、今までお伝えした敷地・建物周辺状況などを考えると、被害にあってしまった住宅で床下などの骨組みだけを直すのではなく、水まわりのリフォームをすることもタイミングとしてよいと考えます。洗面台やユニットバスにするなどを新しくすることで、さらに永く大切なお家に住めます。
ぜひ、シロアリをきっかけにリフォームの時期として考えてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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